遺言書の重要性について
2026/06/1
近年、日本では高齢化が進み、「大相続時代」と呼ばれる状況になっています。そのため、相続に関する問題が私たちにとって身近なものになっています。例えば、相続する人も高齢である「老老相続問題」や、結婚しない人や子どもを持たない人が増えたことによる「相続人不存在問題」などがあります。
このような背景から、相続の手続きが行われないまま、財産が放置されてしまうケースが増えています。例えば、地方に住んでいた親が亡くなったあと、子どもが地元に住んでいないため、土地の名義変更がされず、そのまま放置されることがあります。その結果、誰が持ち主なのか分からない「所有者不明土地問題」が起こることがあります。
このような土地は売ったり活用したりすることができず、災害が起きたときにも復興工事や道路整備が進まない原因になります。そのため、相続登記を義務化するなど、財産をきちんと引き継ぐための取り組みが進められています。
こうした社会の中で、遺言書を作っておくことはとても大切です。遺言書があれば、自分の財産を誰にどのように分けるかを前もって決めることができ、相続人どうしのトラブルを防ぐことにつながります。
ただし、法律で決められた最低限の取り分(遺留分)を無視した内容だと、かえってトラブルになることがあります。また、決められた書き方のルールを守っていない遺言書は無効になる可能性もあります。そのため、内容や書き方に注意して作ることが大切です。
このように、遺言書は単に財産を分けるためだけでなく、相続に関する社会問題の解決や、スムーズな財産の引き継ぎのためにも重要な役割を持っています。
執筆者 司法書士 岩井哲也
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