せっかく書いたのに「無効な遺言書」で失敗しないために
2026/09/1
遺言書は、自分が亡くなった後、「誰にどの財産を残したいか」という最後の意思を家族に伝える大切な書類です。しかし、法律で定められたルールに従って作成しなければ、せっかく書いた遺言書でも無効となり、自分の希望どおりに財産を引き継いでもらえないことがあります。
自分で作成する「自筆証書遺言」は費用を抑えて手軽に作成できますが、法律上の要件を満たさなければなりません。本文は遺言者本人が自筆で作成し、日付と署名を記載する必要があります。なお、2019年の法改正により、財産目録についてはパソコンで作成したものや、不動産の登記事項証明書、預貯金通帳のコピーなどを添付することが認められました。ただし、その場合でも財産目録の各ページに署名、押印する必要があります。
また、「家を長男に譲る」といったあいまいな表現では、対象となる不動産が特定できず、相続人同士のトラブルを招くおそれがあります。さらに、遺言作成時に十分な判断能力がなかった場合には、遺言が無効と判断されることもあります。
さらに、2020年からは、法務局で自筆証書遺言を保管する「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。この制度を利用すれば、紛失や改ざんの心配がなくなるほか、家庭裁判所での検認手続きが不要になるというメリットがあります。
このような制度を適切に活用し、法的に有効な遺言書を作成するためには、司法書士に相談することが有効です。司法書士は相続や不動産登記の専門家として、財産の内容を確認し、法律に沿った分かりやすい遺言書の作成をサポートします。大切な家族への最後の思いやりを確実に形にするためにも、正しい方法で遺言書を作成しましょう。
執筆者 司法書士 岩井哲也
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