本人の意思能力に疑義がある場合
預金の払出し等金融取引や、本人所有の不動産に対する抵当権設定契約等の契約締結は、本人の意思が確認できなければ、たとえ本人の利益のために親族が行う場合であっても、認められません。
このような場合、成年後見制度を利用すれば、本人の利益に適うと認められる場合に限り、取引を行うことができます。
- 本人の入院費・施設利用費に充てるための預金払い出し等が考えられます。
未登記建物が存在する土地を担保にとりたい場合
土地のみを担保にとった場合、後日担保権を実行した時に、当該土地の上に法定地上権が成立する場合があり、当該土地の担保価値を毀損する可能性があります。
未登記の建物が存在する場合、当該建物に担保権設定登記を受けるには、前提として当該建物の表題登記及び所有権保存登記が必要になります。
- 未登記建物の有無については、現地調査等の各種調査が必要です。
担保にとりたい不動産上に、設定から20年を経過した抵当権等が存在する場合
担保権の登記は、当該担保権者又はその相続人全員と共同申請により抹消するのが原則ですが、次の要件をすべて満たせば、当該不動産所有者の単独申請により抹消することができます。
- 担保権の登記が先取特権、質権又は抵当権の登記であること
- 担保権者の行方が知れないこと
- 債権の弁済期から20年が経過していること
- 債権の元本・利息・遅延損害金の全額に相当する金銭を供託したこと