遺言者の最後のメッセージをご遺族へ
〜遺言書の付言事項とは〜
2019/09/1
遺言者の最後のメッセージをご遺族へ 遺言状の付言事項についてのコラムはこちらから。
遺言書の「付言事項」というものをご存じでしょうか。
今回は、遺言書に感情を添えることのできる付言事項についてご説明いたします。
遺言書を作成するうえで法律に定められた遺言事項には様々なものがあります。
遺言書に主に記載されるのは、誰に、どの遺産を、どのような割合で相続させるかなど、死後の財産の処分に関する事項です。
遺言書に記載された内容が法的効力をもつには、法律で定められた遺言事項について、法律で定められた方式に従って作成されていなければなりませんが、「付言事項」とは、法律で定められていないことを遺言書で付言しておくことをいいます。
例えば、「生前、妻には大変迷惑をかけてしまった、感謝してもしきれない。信頼する子どもたちには自分のかわりにお母さんの面倒をみてやってほしい」といったように、日頃言えなかったことなど、残されたご家族への想いを「付言事項」という項目の中で自由に残すことができます。
また、遺産の配分について相続人の間に差を設けている場合など、一見すると相続人に不公平を感じさせるような内容でも、「この土地と建物は私の介護をしてくれた花子に譲ります。花子は介護のため、自宅を購入せず、ずっと同居してくれました。太郎、次郎には何も残せませんが、この事情を理解してください」といったように、「付言事項」の記載により、そのような遺産配分になった理由、いきさつを記すことができます。相続人が遺言書に記載された故人の想いを尊重することにより、相続トラブルを未然に防ぐこともあります。
「付言事項」には法的効力はありませんので、記載された内容を実行するかどうかはご遺族の判断に委ねられますが、円満な相続につながる効果的な記載事項といえます。
「付言事項」は自筆証書遺言に限らず、公正証書遺言にも記載することができます。
遺言書作成の際は、ご家族への最後のメッセージとして「付言事項」を書き添えてみてはいかがでしょうか。
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