相続放棄後の空き家の管理責任
2024/02/1
昨今、人が住んでいない管理されていない空き家が増加し、社会問題となっています。
これまでの法律では、相続放棄後の相続財産の管理責任が「あいまい」との指摘がありました。
令和5年4月1日に施行された改正民法により、相続放棄後の相続財産の管理責任が明確化されました。
これまでの「最後に相続放棄した者」から、「放棄の時に相続財産を現に占有している者」へと変更され、相続財産を事実上支配・管理している者が管理責任を負うことになりました。
相続放棄者が、管理責任を免れるには、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てる必要があります。相続財産清算人が選任されると、相続放棄者は管理責任を負わなくなります。
相続財産清算人は、被相続人の債務の支払いや清算手続きを担当し、最終的に残った財産を国庫に帰属させます。
相続放棄者が管理責任を怠ると、損害賠償請求や法的トラブルのリスクが生じます。適切な手続きを踏まないと、単純承認が成立し、相続放棄の効力がなくなる可能性もあります。したがって、相続放棄者は、法律の専門家に相談し、適切な対応を取ることが不可欠です。
この度の法改正により、相続財産の管理責任に関する基準がはっきりし、特に放置された空き家の問題への対処が進むことが期待されます。
相続人は法改正の内容を理解し、適切な手続きをとることにより法的トラブルを回避し、社会問題の解決に寄与することができるでしょう。
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