死後事務委任契約について
2025/10/27
ご自身が亡くなった後、知人や関係者への連絡、葬儀の手配、病院や老人ホームとの契約の精算、役所への届出、家財道具の処分、ペットのお世話などは、だれに任せるのか考えたことはありますか?
特に単身の方にとっては、切実な問題だと思いますが、ご家族がいらっしゃる方にとっても、非常に負担の大きい問題です。
遺言書を書けばいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、遺言書に記載して法的な効力がある事項は、基本的には、民法等の法律で定められた事項に限られます。遺言で実現できる事項は、例えば、相続分の指定(割合を決めて財産を相続させること)や遺産分割方法の指定(特定の財産を特定の人に相続させること)、遺贈(相続人または相続人以外の人に財産を譲ること)などの財産承継に関するものが中心であり、上記の知人や関係者への連絡などは、法的には遺言で実現することができません。
死後事務委任契約を活用すれば、費用はかかりますが、このような遺言書ではカバーできない、ご自身が亡くなった後の事務手続きを、一括して任せることができます。
死後事務を任せる相手は、信頼できるご親族やご友人のほか、司法書士などの専門家を選ぶこともできます。専門家に依頼すれば、契約内容に従って事務を行ってもらえるという安心感も得られます。
生前、自らの意思で死後の手続きを決めておくことは、ご自身の尊厳を守るとともに、残される方々への最後の思いやりとも言えます。終活の一環として、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
執筆者 司法書士 岩井將
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