商業登記の登記懈怠(けたい)について
2023/12/1
来年からスタートする相続登記の義務化に伴い、登記を怠った場合(登記懈怠といいます)には過料が科される可能性があることについては当コラムでお伝えしてきました。今回は商業登記の登記懈怠についてお話しします。
会社法には、会社の登記事項に変更が生じた際には変更があった日から2週間以内に変更の登記をしなければならないと定められています。会社の登記事項には、本店の所在地や会社の目的(事業内容)、役員(取締役等)に関するものなどがあります。「本店を移転した」、「役員を変更した」場合などには、その変更登記をしなければなりません。この登記の申請義務は会社の代表者にあり、登記を怠った場合は代表者個人に100万円以下の過料が科されると定められています。実際には数万円程度の過料が多いようですが、期限を大きく過ぎると高額になっていく傾向にあります。
役員の重任(任期満了に伴う退任と就任が同時にされる再任のことをいいます)などは役員自体に変更がないことから、そもそも登記が必要だと知らずに放置されているケースもありますので、ご注意ください。また、代表者の住所変更登記も忘れてしまう方が多いです。
商業登記は会社等に係る信用の維持や取引の安全に資することを目的としており、円滑な経済活動への寄与という役割を担っています。不動産登記と同じように商業登記も、正確な情報が公示されることにより、様々な取引における信頼性と透明性の確保が可能になります。不動産登記においても商業登記においても、変更が生じた際は先延ばしにせずお手続きをされるようご案内しております。
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