古い抵当権の抹消について
2023/08/1
相続登記のご相談を受けていると、相続される不動産の登記上に古い抵当権が残っていることがあります。かなり昔に完済しているにもかかわらず、抵当権の抹消登記を行っていないため、まだ登記上に残ってしまっているのです。
日常生活に実害がないので放置されがちですが、抵当権の抹消が行われていないと不動産を売却したり、新たに抵当権を設定することは困難です。また、長年放置することによって、より手続きが煩雑になり、さらに相続が発生した時には、相続人の方が困ってしまうことになりかねませんので、古い抵当権の存在がわかった時に抹消登記を行うことをお勧めします。
古い抵当権を抹消する方法は複数ありますが、ここではいくつかの抹消する方法をご紹介します。
・抵当権者の所在が分かる場合には、不動産の所有者と抵当権者が共同申請で抹消します。
・抵当権者の所在が分からない場合でも、被担保債権の弁済期から20年が経過していれば、20年経過後に被担保債権の元本、利息、損害金の全額の金銭を供託することで、不動産の所有者が単独で抹消登記をすることができます。
・抵当権者が法人で既に解散し、法人の清算人の所在が分からない場合、被担保債権の弁済期と、その法人の解散の日からともに30年を経過していれば、不動産の所有者が単独で抹消登記をすることができます。
古い抵当権の抹消方法には他にもあり、ご相談内容をお伺いした上で、どの抹消方法が良いのかを検討していきます。古い抵当権がある場合は、一度司法書士にご相談ください。
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